2015.02.10更新

 

有岡法律事務所

弁護士 鈴木優吾

 

1 はじめに

  今日は英文契約書についてつらつらと書きたいと思います。

 

  英文契約書というのは、そのままの意味ですが英語で書かれた契約書というものです。日常生活を送っている方であれば、おそらくあまりお目にかかったことがないと思います。しかし、海外展開をしている大企業などでは、相手方当事者が外国の会社の場合、母国語が何であれ英語で契約を締結することが多くあります。

 

  そのような英文契約書について、今日は英文契約書上でのおかしな(?)表現についてご紹介したいと思います(超入門編なので英文契約書に詳しい方は優しく見守っていてください)。

 

2 「当事者」=?

  日本語の契約書で契約当事者を表す言葉としては、「甲」とか「乙」が多いというのは何となくご存じの方もいらっしゃると思います。

 

  では、英文契約書で「当事者」を表すときに頻繁に使用される言葉は何かご存じでしょうか?

 

  “Person”と思ったあなた、とても惜しいです。英語をよく勉強されていると思います。

  

  実は、英文契約書では、当事者のことを”Party”と表すことが多いです。

 

  “Party”というと何やら楽しそうな雰囲気ですが、元々多義的な言葉でして、文脈によっては「政党」などと訳されることもありますね。

 

3 「~しなければならない」=?

  日本語の契約書を見たことがあれば、「甲は、乙に対し、平成×年×月×日までに、~しなければならない」という表現に見覚えがあると思います。当事者の義務を表す条項ですね。

 

  では、英文契約書では当事者の義務を表すときに使用される言葉(助動詞)は何でしょうか?

 

  “must”と思った方は、私が言うのも何ですが英語力に自信を持っていいと思います。でも違います。

 

  英文契約書で当事者の義務を表す場合は、通常”shall”が用いられます。

 

  “shall”は、英文契約書では当事者の義務を表す言葉で用いられ、逆に”must”はほとんど使われません。不思議ですね。

 

4 「~することができる」=?

  最後に、「~することができる」という契約当事者の権利を表す言葉についてです。

  

  これもたぶん”can”ではないのだろうなと思ったのではないでしょうか?その通りです。

 

  英文契約書ではこの場合、”may”という助動詞を多く使います。たぶんではなくほとんどの場合に使われます。

 

5 最後に

  このように、不思議なことに英文契約書では通常の用法とは異なる言葉で当事者、義務、権利を表現します。私も英文契約書を勉強し始めたときは非常に違和感を覚えました。

 

  日本語の契約書でも時折おかしな表現が我が物顔で使われておりますが、英語圏でも契約法の表現が独自に発展していった結果なのかもしれません。

 

  以上のことからすると、英語で契約書を作成する際、英文契約書の独自の表現を念頭に置かないと、「~するべきである」ということを考えて”shall”を用いたつもりが契約書上では「~しなければならない」と解釈されてしまう危険があります。

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